オーディオ遍歴(11)音響特性の改善

オーディオ遍歴

私の設計した音楽室では特に低音の吸収に配慮してあります。こればかりは構造に関係していますから、後で対処が困難になってしまいます。木造建築はこの点、低音の吸収材が多いので有利だと思います。

中高音は、部屋中の物で配置や材質を考えればかなり改善できるものと考えました。音楽室にはアップライトピアノがあるので邪魔者ではありますが、その形状から幾分かは定在波の影響緩和に役立つとも思えます。

スピーカー側の壁面には、対向面で音が反射し合わないように、たくさんの絵やパネルを斜めに設置しました。もちろんこれらからビビリ音が出ないように補強もしてあります。

定在波の影響は消せませんが、それでもある程度緩和できたところで、今度は部屋の隅にたまる低音の処理対策です。幸いに使える塔のような吸音ボックスが市販されていたのでコーナーに配置しました。

さらに注意深く試聴を続け、音圧のピークやディップは平面反射で生じることをみつけました。ということでまずはピアノの平面部分を吸音材で覆うことにしました。これにはかなり効果があったようで、音が大分滑らかになりました。ピークが抑えられれば同時にディップも戻ってくるという感じです。

次に目をつけたのはスピーカーの両サイドの壁の形状です。ここでも平面反射が起きています。どうすればよいか、いろいろ考えた末、徹底的に分散させることが効果的ではないかという結論に至りました。

ウイスキー好きな私ですから、ウイスキーの空き箱が大量にあります。空き箱と言っても四角いものではありません。円柱形状のものなので中に新聞紙をぎっしり詰め込んで共振を防ぎました。

それをスピーカーの中高音領域を受け持つスピーカーの高さにたくさん配置しました。これらも相当な効果をもたらしたようで、ピークが大分抑えられました。

床の対策としては、毛足の短い絨毯を敷くことで中高音の反射を抑えています。フローリングそのままではやはり反射が悪影響を及ぼしているようです。絨毯の導入には抵抗があったのですが、ちょっと意外な結果でした。

最後に残った問題はスピーカーの対向面で、全面ガラスのサッシなので吸音はままになりません。分厚いカーテンで遮光と吸音を図っているものの十分とは言えません。吸音材を配置する訳にもいかず、なんとか解決する方法はないものかと思案しています。

日中だと二枚あるガラスサッシの一枚を開けてしまい、二枚のサッシの間にある厚手のカーテンを閉めて、部屋の中のカーテンと二重にするというやり方はあります。これは日中だからできることだけど、真っ暗にするというものねぇ、、、映画鑑賞ならいいんですけど。

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