オーディオ遍歴(05)JBL4343

オーディオ遍歴

自ら設計した音楽室が完成し、卒業製作とからかわれた38cmウーファー付き3wayスピーカーのネットワークを調整していた頃、親友から舞い込んで来た話が中古のJBL4343を引き取らないかという話でした。

30万円という値段でしたが、私は二つ返事で購入を決めました。当時JBL4343の新品は二台で150万円もし、自動車のカローラが買えるくらいの価格だったのです。そこでこれまで持っていた自作のスピーカーは職場の友人にあげることにしました。大きな物件を引き取ってもらえたことはラッキーでした。

JBL4343を聴くと、自作のスピーカーとは比べ物にならないほどの音質で感動したものです。なにしろもの凄い解像度で音楽を聴かせてくれました。さすが名器といわれるほどのものです。まさにモニタースピーカーの頂点だと思いました。

ただ私とっては若干の問題がありました。JBL4343はジャズなどの演奏を聴くのには最適なのですが、私のメインのクラシックでは弦楽器が乾いた音になるので困ってしまいました。この問題は部屋の音響特性の改善でなんとかならないものかといろいろ試しましたが、10畳しかない部屋のため理想的な残響を得られるべくもなく、しばらくはモニタースピーカーの音で楽しむことになりました。贅沢な悩みだとは分かっていましたからね。

この頃、大型のTVが発売されるようになったので、VHSというビデオプレーヤーで映画を楽しむようになりました。当時の32インチTVというものはとても大きく感じられたものです。ブラウン管なのでとてつもなく重たいものでした。

当時、トップガンという映画が大当たりしていて、まだ劇場公開から間もないというのに知り合いの米国人からVHSテープで入手することができました。途中に映像の乱れがあったり、字幕なしの英語版だったため会話が理解できかったりしましたが、それでも迫力の映像・音響で、まだ幼い息子たちが狂喜乱舞していたものです。

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