私はイランに公共浴場があるということを知りませんでした。ケルマンにそれがあると知った時は驚いたものです。ケルマンにある公共浴場は17世紀に建てられたものです。ヴァキール・バザールの中にあり、ギャンジ・アリーハーンのハンマーム(公共浴場)と呼ばれています。
今は博物館になっているので浴場としては楽しめませんが、イスラム社会の中にある公共浴場として興味深いものです。女性も楽しめるということでしたから、女性専用の時間設定があったのでしょう。
公共浴場なのですが、人々の階層に応じて場所が決められていました。王族などには奥に専用の浴場が用意されていました。こちらの利用は一日掛かりだと聞きました。時間が分からなくなるので、天井からの陽射しが壁に当たるのを利用して時刻を知ったそうです。
博物館なので、当時の浴場の利用の仕方を蝋人形が表現してくれています。蝋人形のモデルになった人たちはいまでもケルマンで生活しているとのことでした。さらに驚いたことは、今でもこういう公共浴場は小規模ながら営業しているとのことでした。
最後の写真はいったい何をしているところでしょうか?洋の東西を問わず、昔から健康に問題があると「悪い血」の仕業と考えたようで、その「悪い血」を抜いているという説明でした。民間療法なのでしょう。
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