かれこれ50年以上も前の話です。当時はステレオ装置なんてものは贅沢品で立派な家具のような感じでした。私が持っていたのは簡素なもので、レコードプレーヤーがスピーカーと一体になっている卓上型のものでした。高校生の頃から欲しかったもので一応ステレオになっていました。
少ない小遣いで買ったレコードを繰り返し何度も聴いたものです。針先の大きなセラミックカートリッジだったので、当時のレコードの溝はもうボロボロで雑音だらけになってしまっています。
オーディオに目覚めたのは、友人からのアドバイスで、使っているスピーカーを外して、平面バッフルに移せば音が良くなるというものでした。私は早速ベニア合板に穴を開けてスピーカーを付けてみました。10cmくらいのスピーカーユニットだったと記憶しています。
驚いたのは、そのスピーカーからいままで聞こえなかった低音が出ているということです。レコードにはこんなにも多くの情報が入っているということに気が付かされたのです。それから当時高価だったステレオ装置というものに俄然興味が湧き、なんとか購入したいと考えるようになりました。
そこで、夏休み中アルバイトをして15万円くらいを稼ぎ、秋葉原に行きレコードプレーヤー、プリメインアンプ、スピーカーを購入しました。もちろんオーディオ情報誌で勉強した後です。それぞれのメーカーは今でも覚えています。プレーヤーはパイオニア、アンプはオンキョー、スピーカーはクライスラーというものです。
クライスラーなんてメーカーを知っている人はもはや少数だと思います。30cmウーファーの付いたブックシェルフ型のスピーカーで、面白いことに三種類のサランネットが付いていました。半透明、家具調、無地だったかな。もう消滅してしまったメーカーですが、当時は米国アルテック社の向こうを張ったパフォーマンスをしていたようです。
この頃からオーディオブームが始まったんじゃないかな。これで私のオーディオ熱は終わった訳ではなく、これからがいよいよ大変なことになって行きます。
コメント
ここからオーディオの道がはじまったんですね。私は、カセットテープ世代でラジカセをテレビの前に準備し、録音した事が今でも忘れられません。あの頃の熱い思いが甦って来ました。これからも拝見させていただきます。
コメントありがとうございます。私もやったことがありますよ、TVの前にマイクを置いてテープレコーダーで録音したこと。オープンリールでしたけどね。懐かしいことを思い出させていただけました。今後ともよろしくお願いします。