テヘラン周辺に住むイラン人の夏の楽しみにはどういうものがあるでしょうか。海に行きたくても、カスピ海はあまりきれいではないし、またカスピ海周辺は高温多湿の日本のような気候です。ペルシャ湾まであまりにも遠く、海水浴なんて考える人はほとんどいないでしょう。
テヘランの周辺には大きな川もありません。そういう環境ですから、イラン人たちは涼しい場所を求めます。ということで、テヘランの裏山のようなアルボルズ山脈の中にはいくつもの避暑地があります。中には大変な高級別荘地もあり、テヘランの住宅よりも立派な建物がいくつも見られます。石油成金なのか、ペルシャ絨毯の商人なのでしょうか、とにかく大変なお金持ちだろうと思います。
私は、カウンターパートであり親友のイラン人と小さな別荘に向かいました。この別荘は、知り合いの別荘で、実はその人も一緒に行くはずだったのですが、急用ができてしまい、私たち二人で行くことになりました。車でアルボルズ山脈の中の道を進みますが、テヘランから1時間半もあれば到着できるほど近いところです。
(ラルンの山村)

(周囲には万年雪の残る山があります。)

標高が3000mを越えると思われる高地ですから、涼しい訳です。目指す山村に着くと食料と飲み物を買い、別荘に向かいました。途中でロバを見かけました。こういう山地では、車よりロバの方が重宝なのでしょう。荷物運びをしているのでしょう、背中に毛の薄いところが見られます。
(目指す別荘)

(非番のロバ)

別荘では、途中で買った鳥のケバブを焼いて自炊します。もちろん、電気も給水も完備しています。炭に火を点けて焼くだけですから簡単です。私は自分用にウイスキーを持ち込みました。
(鶏のケバブを焼いています。)

こうして私は、大都市テヘランの都会の喧騒を離れ、静かで涼しい山村でイラン人の親友と語り合い、夜長を楽しみました。
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