イランという国(105)レストラン

イランという国

どこの国に行っても、単身赴任の私には、レストランでの食事は大変重要なものです。外で仕事をしたり、出張の際には、レストランに入ることになります。私がイランで一番最初にレストランに行ったのは、イランに着いて間もない頃でした。運転手にテヘランで一番いいレストランに案内するように言ったのです。もちろん、運転手にもご馳走するからと言いました。

運転手が連れて行ってくれたレストランは、私のアパートの近くにあるものでした。周囲が高級住宅地ですから、確かに高級そうなレストランです。入り口には制服を着たガードマンがいて、レストランの中には同じ制服を着たウエイターがたくさんいました。ひょっとして値段も高いかなぁと少し心配しましたが、テーブルや椅子があまり高級には見えなかったので、たいしたことはないだろうと予測しました。

私は運転手に勧められたコーンスープと羊のケバブを注文しました。これが私にとって初めての純粋なイランの料理の体験です。やがてスープが給仕され、味をみると、なんとコーンスープが酸っぱいのです。予想もしていなかった味です。私は、「うへぇ、これは苦手だ」とふた口で食べるのを止めてしまいました。因みに、レモン果汁の入った酸っぱいコーンスープというのは今でも苦手です。

次に出てきたものが、羊のケバブです。まず驚いたことは、玉葱がほとんど丸のまま乗せてあったことです。オニオンスライスならいいのですが、ほとんどそのままでした。私は、イランの玉葱はそれほど臭いがきつくないのだろうと思いました。食べてみると、日本の玉葱とほとんど変わりませんでした。

肝心の羊のケバブは、串から外してありましたが、硬くて、臭いのです。私は、羊肉を苦手だと思ったことはありませんが、このケバブは臭かったですねぇ。この体験から、私は羊肉がちょっと苦手になってしまいました。それまで、パキスタンでも日本でも、羊肉を臭いと思ったことはなかったのですけどね。

私は、一番美味しいレストランに案内してと運転手に頼んだので、恨めしく思い、彼の食べているところを見てみると、なんと美味しそうに食べているではありませんか!うひゃぁ、イラン人にはこの味が美味しいのかぁ・・・ と思いました。私の最初のイラン料理との遭遇は大変な悲劇だったというのに・・・ 

値段は、日本に比べればはるかに安いのですが、他のレストランよりは高かったようです。今から思うと、このレストランの羊肉はあまり新鮮ではなかったと思います。羊肉、ラムですが、これは新鮮でないと硬いし、臭みが出るものです。新鮮なものは美味しいのですけどね。

最初の写真は、道路沿いにあるごく普通のレストランです。ケバブなど、普通の食事だったら500円程度でしょう。下の二枚は、テヘランの中にある高級レストランです。こちらは、なかなか美味しい料理を提供してくれます。初体験のときとは比較にならないくらいいいですよ。地下にあるのですが、洞窟のような雰囲気です。私はこのときは口髭を伸ばしていました。

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