地底湖のあるアリサドルはテヘランから約340km離れています。大型バスは100km/H近いスピードで走りますが、高速道路という訳ではないので、平均時速は60km/Hくらいしか出ないでしょう。したがって日帰り旅行にするためには早朝に出発しなければいけません。集合は6時でした。保険やらで少し出発がもたつきましたが、2時には目的地アリサドルに着くことができました。もちろん途中でのんびりと昼食を食べたり、休憩をしたりというのがありますが、6時間はバスの中だったでしょうか。
沙漠ばかりのイランの中にあるこの地底湖の存在はまさに驚異です。多分作り話でしょうが、迷った羊を探していた羊飼いの少年が発見したという逸話になっています。でもその様子を想像するだけでもわくわくしてきます。岩の割れ目を入るとそこには透明な水を湛えた地底湖があり、鍾乳洞の壁は宝石のようにきらきらと輝いていたなんてね・・・ 実際には暗くて見えないでしょうけどね。
実はこの観光地あまり期待しないで出掛けたのです。イランにある世界遺産や多くの観光地の陰に隠れてあまり目立たない存在だったし、ガイドブックにもそれほど紙面は割かれていないからです。しかも、アリサドルは周囲にめぼしい観光地がないので、ここだけを目指して行かなければならないということがあります。周囲に別な観光地があれば外国人向けのツアーも組めるのでしょうに残念なことです。
着いてみると1200円という料金に驚きます。イラン人の料金は350円ですから、ちょっと嫌な感じだというだけなんですけどね。ところが実際にボートに乗りながらアリサドルの中を見学すると、その大きさ、美しさで入場料がさほど高いものではないと思うようになりました。この鍾乳洞が発見されてまだ42年ということもあり、また訪れる人の数もそれほど多くないのでしょう。まだ鍾乳洞が埃や塵で汚れていないのでとても美しいのです。
日本の代表的な鍾乳洞の秋芳洞(山口県)は古いためか、入り口の大きな鍾乳石は褐色になってしまっていて、その大きさには感心したものの美しいとは思えませんでした。いずれこのアリサドルもそういう運命になってしまうのかも知れませんが、今のうちなら綺麗な状態を見て楽しむことが出来ます。
足でペダルを漕いで進むボートに3つのボートがつながれて、我々一行13名が金魚のうんち状態で引っ張られて進みます。ガイドが足で漕いでいるので、これでは入場料が高いとは文句は言えない気分です。
現地には2時間いたでしょうか、予定よりも遅くなってしまったのでハマダン市街地に行くのは止めてテヘランに帰ることにしました。夕食も食べずにテヘランに着いたのが10時15分でしたから、合計12時間はバスの旅をしていたことになります。疲れましたけど、アリサドルの観光はそれだけの価値のあるものということで誰も不満があろうはずがありません。
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