人間というのは不思議なもので、いい天気だと家の中でじっとしていられないもののようです。私はかなり出不精なんですが、その日は朝から快晴で、夕方までは雨は降りそうもない空に見えました。さて、そうなると朝ぐずぐずしていても、出掛けないと損な気がして来ます。
家を出てから3時間近く自転車で走ったでしょうか。タイでは道路沿いならどこでも売店があるので、私は飲料水を持たずに出かけたのです。
3時間近く自転車をこいで汗をたっぷりかいているので、脱水症状、熱中症を恐れました。喉が渇いていなくても水分の補給をしないといけません、それにお腹も空いてきました。それでもマングローブの道路は延々と続いています。人家らしいものは全然見えて来ません。やばいなぁ、引き返そうかな、でも引き返すと20分くらい掛かりそう・・・
人家が現れることを祈りつつ自転車を走らせました。しばらくして、やっと一軒人家が見えて来ました。橋の近くで川に面したところにバルコニーがあります。青年3人がおしゃべりをしていました。私は屋台をみつけたと思い、自転車を止めて「水が飲みたい、お腹が空いた」と言ったのです。「飲めますか?食べられますか?」と聞くと「はい」という返事です。
自転車を降りて家のバルコニーに行くと、ちょっと様子が変です。「あ、ここ、普通の家じゃん。たはは。ま、いっか」ということで、普通のお水とお魚の料理でご飯をいただいちゃいました。もちろん、お金を受け取ろうなんてしません。私は心から感謝しました。思えば、最初、家の人たちの反応は少し当惑気味だったのです。私は自分のタイ語の発音のせいだろうと思っていましたが、突然見知らぬ外国人が水と食事を求めて来たので驚いていたんですね。
食事の後、つくろがせてもらって、十分休憩できました。若者たちは少しはにかんでいましたが、すごく素朴な感じでした。二人の子持ちの女性、そしてそのお母さん、突然の珍客に対してみなさん優しかったです。
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