日本には世界遺産が30以上もあると思いますが、イランには4つしかありません。歴史があって遺跡の多いイランとしては意外な数です。私は、イラン政府が世界遺産の申請をしないからではないかと考えています。イランには2000年以上も昔の遺跡がごろごろありますからねぇ。
イランにある世界遺産は、 ①チョガーザンビルのジグラット(メソポタミア文明のピラミッド)、②ペルセポリス(ペルシャ帝国アケメネス朝の遺跡)、③エスファハン(エマーム広場全体が世界遺産に指定)、④アルゲ・バム(地震で崩壊してしまった遺跡、現在危機遺産として修復中)の4つです。
私がごろごろあると言った遺産には、さらにペルシャ帝国黎明期の遺跡であるパサル・ガダエ、もう一つのペルセポリスがあったシューシ、紀元前からあるバーント・シティ(岩屋遺跡)、現在も使われている岩屋で有名なキャンドヴァン村、拝火教の神殿や、鳥葬の施設のあるヤズド、その他各地にある拝火教に関係した遺跡、カスピ海の湿原地帯、傾斜地に作られた町マースーレ、塩の湖であるウルミエ湖、砂漠の地下にある湖アリサドル、5671mのダマヴァンド山などなど。
これらは申請さえすれば、直ぐに世界遺産に認定されそうなものだと思います。私としては、さらに観光地化されずに手付かずに残っている本当の砂漠も候補に挙げたいくらいです。また砂漠の周辺に配置されたキャラバン・サライ(隊商宿)も世界遺産として保存されるべき対象ではないかと考えています。
比較的新しいところでは、今では博物館として公開されていますが、王宮などの施設も世界遺産に認定されうるものではないでしょうか。そして、化石のような魚が棲息しているカスピ海そのものも世界遺産に相応しいと思います。
世界的な観光地をたくさん持っているイランですが、イラン政府は観光による外貨獲得には熱心でないようにみえます。石油資源に恵まれているからなのでしょうが、もったいないような気がします。イスラム教で国を統治するというイラン政府は、外国人観光客によってイラン人に悪影響が出るということを恐れているのかも知れません。
イランではインターネットに対する規制はあまりありませんから、外の世界はインターネットを通じてみればいいと考えているのでしょうか。もっとも、ポルノっぽいサイトについてはアクセス禁止という措置が講じられています。一時、ブログ全体にアクセス制限がかかるということがありましたが、現在ではそういうことはなくなっています。
(チョガーザンビルのジグラット)

(ペルセポリス)

(エスファハン)

(地震前のアルゲ・バム)

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