どこの国に住んでいても日本人ですから、日本食はほしいものです。テヘランには、日本食レストランが1,2か所ありますが、禁酒国なのでせっかくの日本食が楽しめないというものです。任期の後半では、お寿司の出前サービスのお店ができましたが、結局一回しか試しませんでした。その理由は、具材に限りがあるので、私がドバイで仕入れて来るものと大して変わらなかったからです。
週末になると、自分で用意する日本食が楽しみでした。醤油、味噌、それから、ドライな食材は手に入りますから、カレーライス、チャーハン、インスタントラーメン、日本蕎麦、うどんなどは贅沢を言わなければ問題はありません。ただし、イランには美味しいキャベツがないので、焼きそばやお好み焼きを作るのには不自由しました。しょうがないから、レタスをキャベツの代わりにしたものです。
ドバイに買出しに出れば、刺身はサクで売ってもらえます。保冷用ボックスに入れてくれるので、そのまま冷凍しておけば3か月くらいは十分持ちます。もっとも、停電が長時間続いたりすると、全部がダメになってしまう恐れがあるので、ヒヤヒヤものでした。幸い、長時間の停電には見舞われなかったので助かりました。
ドバイでは、焼き豚、油揚げ、餃子、かまぼこ、いくら、鯵の開き、鯖なども買えました。ドバイで食材を購入するところは、日本食レストランです。アラブ首長国連邦及び近隣諸国に在住する日本人のためにサービスを始めたのでしょう。これには大変助かりました。
その他、日本人会を通じて日本と同じ性質のお米、山芋、里芋などが手に入ることもありました。日本で味わえる長ネギがないのが辛いところでした。中国製の一見長ネギのようなものは、味が全然違うので代用にはなりません。ワケギみたいなものはイランにもありますが、香りが全然違いました。これはないよりマシというものでした。
単身赴任ですから、一回カレーを作ると2,3日食べ続けることになります。冷凍保存してもいいのですが、いい入れ物がないのでほとんどやりませんでした。テヘランで手に入る魚と言えば、養殖鱒くらいなものです。海老も手に入りますが、新鮮なものは滅多にありません。モンゴウイカは冷凍されたものが闇市場で買えました。
私は、納豆が大好きなので、これは切らしたくないところです。日本食材を売っているお店に予約しておいて、すべてを買い占めて冷凍保存することにしていました。こうすることによって、週に2回食べるペースは保てました。ただし、値段が日本で買うものに比べて約5倍ですから、大変貴重品ということになります。
キャビアは比較的安く買うことができますが、イクラの代わりになるものではありません。ちょっとしつこい味なので、飽きてしまいます。250gで8000円くらいですから、決して安いものではありませんでけど、闇市場での相場ですから、ちゃんと買うと3倍くらいの値段になってしまうでしょう。因みに、カスピ海周辺で買うと、5000円くらいでした。
一番困るのが、日本酒でしょうか。2リットルの紙パックが闇市場で買っても8000円くらいしてしまいます。私の場合は、出張を繰り返す日本人チームがあったので、常時補給を受けることができたのがラッキーでした。最後の1年ではこれが止ってしまい、しびれたものです。結局、自分でタイに買いに出るか、家族と合流する際に、持って来てもらったりしていました。ドバイではお酒を入手することができないのが辛いところでした。買えても、イランに持ち込めませんからねぇ。
(イランの食材で作った握り寿司・・・キャビア、エビ、納豆、しいたけ、玉子)

(寄せ鍋の具材)

(寄せ鍋)

(ドバイで買出しをして作った握り寿司)

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