イランという国(101)テヘランの緑

イランという国

沙漠ばかりの国土を持つイランでは、人が住むところにはどんどん植栽されます。日本では、開発行為で樹木が伐採されますが、イランではまったく反対です。自然のままでは樹木は生育しませんから、人々が苦労して緑を育てて来ているのです。樹木を伐採したりしたら、大変な罰則があります。

新緑の頃、アパートから見た緑の様子をご覧にいれましょう。とても砂漠の国の首都とは思えない緑の量でしょう。岩肌の見えている山は、アルボルズ山脈です。こちらは表土がないので、草も生えることができません。見えている山の高さは、およそ3300mくらいあります。アパートから麓まで3km程度ですから、裏山のようなものです。麓辺りでは標高が1800mくらいでしょうか。

背の高い木は、プラタナス(鈴掛けの木)とポプラが多く、その他にマロニエ(西洋栃の木)やニワウルシ(庭漆)、合歓木、カエデ、楡、トネリコなどが見られます。イラン人は花が大好きなので、公園はもちろん、道路の空き地、ロータリーの真ん中など、さまざまな植栽がなされています。これらはテヘラン市が管理しています。

アパートから外に出ると、一層緑が多いことを実感します。このエラヒエ地区は高級住宅地なので、テヘランの他の地区が同じように緑が多いとは言えませんが、それでも空間さえあれば植樹しているという感じです。都市部だけを見たら、日本よりも緑が多いかも知れません。

道路を作る場合でも樹木を伐採したりしませんから大変です。樹木を避けて道路が曲がりくねっているというのをよく目にします。3枚目の写真のような場所もあります。4枚目の写真は、大気汚染測定局ですが、樹木を伐採しないで局舎が作られていますね。移植すればいいと思うのですが、それもしないようです。

テヘランは大きな都市ですが、私のアパートから東、西、南に20kmも移動すれば様子は変わり、松や杉の類が多くなります。その先は、麦畑が一面に広がり、さらに遠くになれば牧草地というか、荒野ばかりということになります。

テヘランから北に向かうと、アルボルズ山脈を抜けるという意味ですが、その先にはカスピ海があります。アルボルズ山脈を抜けて平地に出ると、そこには日本のような湿度の高い、水郷地帯が開けています。カスピ海周辺地域のお話は、また改めてということで・・・

(アパートからの景色)

(道路を邪魔する樹木)

(大気汚染測定局)

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