派遣先など関係機関への挨拶を済ませると、あとは生活基盤整備を進めないといけません。長期滞在者用のホテルが用意されていたので、とりあえずは衣食住には困りませんが、毎回外食という訳にもいきません。今回は、最初のイランの印象について思い出してみたいと思います。
ホテルの受付などにいる従業員は英語を話します。髭の濃いイラン人ですから、一見すると恐く映りますが、話をするとたいへん気さくな感じです。インターネットをやりたいと言うと、直ぐに電話回線を二本にしてくれました。当時、イランにはADSLはおろかISDNすらありませんでした。
荷物などを整理し、衣類をクローゼットにしまい、いよいよホテル周辺を見て歩くことにしました。元シェラトンホテルのホーマーホテルには行ったことはありましたが、何でもそこで済ませるという訳にはいきません。まずは食料の調達が最優先事項です。
(ホテルの近く)
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ホーマーホテルとは反対方向に歩き出しました。市街地図すら持っていなかったので、どこに何があるのかまったく分からない状態です。真っ先に目に入って来たものは、イランの国産車、ペイカンです。30年も前から製造を続けているという代物で、つい最近、製造中止となりました。ロシア製の車、ルノーの小さい車なども見かけました。
なるほど中東の国だ、パキスタンとたいして変わらないかも知れないと思い、少しがっかりしました。パキスタンに2か月いたことのある私は、パキスタンに長期滞在するのはちょっと敬遠気味です。イランは2年という長期派遣で行きましたから、パキスタンと同じというのではちょっと辛いものがあります。
(近くの八百屋)
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八百屋を覗いてみると、文字はペルシャ語なのでさっぱり分かりませんが、野菜を手に取れば買うことはできるでしょう。このとき何かを買ったのですが、よく覚えていません。お店の人が英語を全然理解しないので困ったことだけを覚えています。それでもお店の人の感じはよかったですよ。
(近くの通り)
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さらに歩いていくと、やや大きな通りがあり、そこには商店街がありました。いろいろなものが売られているようです。街の印象は、きれいとか美しいというものではなく、これが首都のテヘランなのかと失望しました。
(日本の食材)
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日本食の食材は普通のところでは買えません。日本人に教えてもらった日本食の食材店までタクシーで行くことにしました。ホテルからは1時間も掛かるほど遠いところにありました。それでも、「ないよりはまし」ですから醤油や牛肉、麺類などを買いました。驚いたことは牛肉のフィレが、日本の10分の1の値段だったことです。もちろん、購入はkg単位です。
外国人を相手に商売をしているからでしょう、このマーケットで売られているものの品質はいいようです。ただし、一般のマーケットに比べて値段が高く、限られた食材を買う以外では買わない方がいいようです。しかも、ぼるという話すら日本人の中でありました。私はいきつけの店を作ることを流儀としているので、写真のお店と4年間お付き合いを続けました。常連になるとお店の方もいろいろと便宜を図ってくれるものです。
(注)これが私にとってのイランの最初の印象だったということで、正しい姿ということではありません。たまたま一部を見たということです。テヘランは大都市ですから、次第にどういうところにいいものがあるのかなど知っていくことになります。
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