イランという国(04)拝火教の遺跡アータシュガー

イランという国

エスファハンには拝火教の遺跡があります。エスファハンの市街地から少し離れていますが、10km程度の距離だと思います。この遺跡の名前は日本語のガイドブックには「アーテシュガー」と書いてありますが、ペルシャ語の標識では「アータシュガー」の方が発音としては近いようです。

西暦7世紀にアラビア軍に負けてから、イランはイスラム教に改宗しましたが、それまでは拝火教あるいはゾロアスター教と呼ばれる宗教を信仰していました。この遺跡はササン朝ペルシャの時代に創られたゾロアスター教の神殿です。

この遺跡には誰でも入れますが、神殿のある岩山は結構傾斜がきついのでサンダル履きではちょっと危険です。登りは比較的楽ですが、下る時はちょっと怖いくらいです。

頂上にはイランの遺跡ではよく目にする干し煉瓦造りの神殿と呼ばれるものがあります。拝火教の祈祷師がどんなことをしたのかは分かりませんが、この神殿の火を絶やさずに燃やし続けたことだろうと思います。その火はエスファハンの街からも見えたことでしょう。

急峻な道なき山を息を切らして登って行くと、神殿と呼ばれる上部構造物が見えてきます。神殿と言っても、干し煉瓦造りの小さなものです。昔は屋根もあったのではないかと思いますが、あるいは何かの宗教儀式の時だけ使われたのかも知れません。それなら屋根はなくとも構いませんね。

この干し煉瓦の建造物、本当にササン朝ペルシャの時代のままか、修復されたのかは分かりません。私は修復されたのではないかと思っています。干し煉瓦では長い年数の中で傷んだだろうし、修復も簡単ですからね。

拝火教(ゾロアスター教)の話はまた改めてということで、アータシュガーから見たエスファハンの景色をどうぞ。沙漠の国イランの都市でありながら緑が豊かですね。イランで一番いい街だと思います。その昔、世界の半分がエスファハンにあると言われたそうですが、現在でもイランで一番綺麗な街であることには違いはありません。

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