今回は我が家のオーディオルームのお話です。オーディオ機器の性能はもちろん重要ですが、それと同様に部屋の音響特性も非常に重要だと考えています。その考え方の基本は「吸収・拡散」というものです。
吸収の重要性というのは音波の全帯域について言えることですけども、特に低音の吸収というのは音楽の再生において特に重要だと考えます。しかし、これは既存の部屋に手を加えるというようなことでは問題解決はできません。
低音の扱いでは、吸収は部屋の構造物に吸収させることが重要です。周波数に偏りなく吸収させたいものです。吸収しきれない低音は外部に逃がすしか手段はありません。この場合、近隣騒音という問題が発生することを考慮しなければなりません。我が家の場合は、天井に逃がすという方法をとっています。
中高音の吸収は簡単です。むしろ吸収させすぎる心配の方が重要かも知れません。ジャズなど小編成の演奏ではある程度デッドな音響特性でいいのですが、クラシック音楽などの場合は適度な残響が必要になります。
さて、ここからが本題です。部屋の音響特性を調べるのには、騒音計のC特性を使います。聴感補正のないモードです。ホワイトノイズで低音から高音までをスウィープさせて周波数特性を調べると、非常にたくさんのピークとディップが見られます。残念なことにこれが部屋の音響特性です。
このピークとディップをいかに減らすかが問題になります。ヘッドフォンの場合、音は直接耳に到達するので非常に滑らかな音質が得られます。しかし、室内ではこのピークとディップが問題でどうしても情報量が減ってしまいます。ディップは聴こえませんからね。
そこで解決法なるものは音の拡散ということになるでしょうか。部屋にあるものから反射して来る一次反射音が気になります。そしてそれが正対した平面同士で反射し合ったらピークができてしまいます。
ピークがあればディップもできます。解決するために選んだ方法はとにかく音を拡散することです。できるだけ平面をなくすこと、パネネルを斜めにかけたり、円柱の物(私の場合はウイスキーの丸い箱、中は新聞紙を詰めています)を壁に立てています。
さらに、スピーカー周辺で音が反射し合う場所には吸音材を配置しています。また部屋の隅には低音が集まってしまうので市販の吸音塔を使用しています。
狭い部屋でどうにもならない問題がまだ残っています。それは定在波の問題です。大きな部屋ではあまり問題になりませんが、10畳程度の狭い部屋ではどうにもなりません。部屋が四角いという致命的な問題はどうしようもないですね。一応天井には傾斜はつけていますが、部屋の形は長方形のままです。
部屋の中にある大きな構造物、ソファや棚など、できるだけ正対した平面同士にならないように配置しています。低音の波長は100Hzで3mもあるのですから解決が難しい問題です。
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