海外旅行失敗談（１４）ドナウデルタで

ルーマニアに遊びに行ったときのことです。ドナウデルタでペリカンを見ることを目的にモーターボートをチャーターしました。

晴れ渡った青空の下、目的のペリカンが十数羽もいました。間近で見るとものすごく大きいものです。ダイナミックな着水の様子など楽しめました。

そしてそれ以上に驚いたのは、水面が鏡のようになっていて空と水面の繋がりが分からないくらいでした。まるで無重力状態になってしまったような錯覚をしたくらいです。

問題はそこからです。モーターボートの運転手は観光案内もしてくれていたのですが、なぜか葦の繁る中にある道というか水路というか、どうやら迷ってしまったようです。

戻る水路を探しているうちに沿岸警備隊の所に着いてしまいました。これで帰り道が分かると思いきや！その沿岸警備隊はなんとウクライナの所属でした。

運転手は現地の言葉で何やら言い訳をしているようでした。私もパスポートの提出を求められました。ウクライナ入国にはビザが必要なはず、不法侵入で拘束されてしまうかもと心配になりました。

観光目的のモーターボートが迷い込むことがたまにあるのかも知れません。結局、私たちは無事に解放されましたが、冷や汗ものでした。